ICG部門で優勝した九州芸術工科大学・松永康佑氏の「COSMOS3」は、立体万華鏡と呼ぶのがふさわしいと思われる作品である。画面中央に、マウス移動および自律的運動により変化する、複数の四面体の配列がある。マウスをクリックすると、そこからグラデーションカラーの四面体チップが連続的に放たれ、3DCGシーン全体の回転効果とあいまって、立体万華鏡が形成される。マウス移動時には効果音が鳴り、配列の変化には様々なパターンと論理性がある。映像も不可解にならず美しく、高い完成度で芸術性を表現した点が評価された。
静岡産業技術専門学校・齊藤弘太氏らによる「アニマルリサイクル団」は、Flash Movieによりリサイクルの大切さをわかりやすく説明する作品である。ミニゲームなどの数多くのイベントが盛り込まれた大作だが、短時間で遊び、解説できる作品ではなかった点が不利となったのが残念である。
多摩大学・田中エリ子氏らによる「マルリアナ」は、ViaVoiceを用いた音声認識・音声合成を行う3Dエージェントと、しりとりを競う作品である。愛らしいCGは子供にも好評であり、語彙数を限定することで認識率を高めたりするなどの工夫もなされていた。大会中にエージェントに勝った人はいないとのことである。
バンタン電脳情報学院・布川基博氏の「クイズで学ぶ 救急救命」は、TVMLによって記述されたシナリオと3DCGアニメーションにより、救急救命に関するクイズに答えていくというものである。TVML開発チームにかけあってAPI仕様を変更してもらうなどした作者の情熱が伝わってくる作品である。
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