Dandelion Flier 〜たんぽぽの種〜(1999)
Birdge / 慶應義塾大学
[作品概要]
たんぽぽの種のような飛行生物になって空気の流れと重力を楽しむ道具である。
その道具とは体の動きによって空を泳ぐ道具で、風の流れを感じ、手や足を動かして、空を漂ったり、泳いだりしながら移動するものである。但し、この道具には飛行機のように飛び続けるための動力はない。
一度だけ上空へあがるための推力を使うだけである。その後は重力に任せて落ちるだけだが、落下中に翼となった腕や尾翼の役割をする足を動かして風の流れをコントロールし、まっすぐに落ちていったり、回転したり、滑空したりする。 ′
落下する間に飛行生物となった自分の体を動かして、人間のときにはできなかったような動作をして、ゆっくり降りたり、クルクル回転しながら横方向にそれていったりする。重力と風を楽しめる飛行生物になり、人間には感じることができない世界を楽しむのである。
オペレータはHND、ヘッドフォン、コントロールベスト、コントロールブーツ、を装着し、専用の椅子に座り操作する。飛行ユニットの中間部と最後部についた全部で8本のブレードの迎角と後退角度を操作して飛行ユニットの挙動を制御する。その際に飛行ユニットに積まれたCCDカメラ、マイク、ウィンドセンサから映像、音、空気の流れがオペレータに送られてくる。高度が30メートル以下になるとパラシュートが自動的に開き、着地の際に飛行ユニットに加わる衝撃を和らげる。操作のポイントは何もしないと数秒間で着地するのだが、たんぽぽの冠毛(綿毛)に相当するブレードの迎角をコントロールすることで、機体を横に傾けたりしながら滑空したり、回転しながらゆっくり降りてきたりできる。降りてくるまでの間にダンスを踊るように自由な演技ができる。
[ 大会映像 ]