㌧㌧(2004)
宮田部屋 /北陸先端科学技術大学院大学
[作品概要]
「㌧㌧」は,紙相撲をテーマとした対戦型の VR アプリケーションである.
本作品では,従来の対戦型ゲームにおけるゲームコントローラを用いず,相互操作により引き起こされる不規則的な入力値を得られる方式を開発した.本作品では,海底での紙相撲を想定しており,三つの入力パネルから異なる方向の波を発生させ,起こした波でキャラクタに影響を与えるものとする.また,波の作用で揺れるスクリーンの傾きも計算し,その傾きがキャラクタに影響を及ぼす物理シミュレータも開発した.以上より,プレイヤが発する波によりキャラクタが不規則な動きをし,紙相撲の遊びを再現した.水を用いることで,水を押すことの面白さや相手の発した波の作用を知覚することも可能である.さらに,力の流れを波紋で視覚的に表現し,演出効果を高めている.
実装システムでは,入力パネルの動きや,スクリーンの傾きを算出するために,距離を測定する測距センサを用いている.測距センサから取得された値は,A/D コンバータを介して PC に取り込まれる.また,波やキャラクタの動きを,DirectX Graphics を用いてリアルタイムで描画した.
本作品では,VR 特有の表現手法を活用することで,新しいゲーム体験の環境を提供することができた.
[ 岐阜本大会映像 ]