フレグラ(2003)
和田おろし / 奈良先端科学技術大学院大学
[作品概要]
『フレグラ』は,香りで判別するゲームである.インタラクティブに香りを体験することを可能にしている.体験者は,香り提示装置「かおりちゃん」(図1)を身につけ,HMD(Head Mounted Display)からの映像をもとに,手を用いてバーチャル空間内の物体の香りを嗅ぐことができる. 「かおりちゃん」は体験者が仮想世界内で掴んだ果物の種類によって,それぞれの香りを体験者に排出する装置である.装置の仕組みは,いくつかの空気タンクにあらかじめ香り付き空気をためておき,状況に応じ各タンクから,チューブを通して,コンプレッサで香り付きの空気を体験者の顔に噴出している. ゲームの設定は,とある森に様々な食べ物が実る不思議な木があるというものである.食べ物を掴んで顔近づけると,「かおりちゃん」が香りを発生させる仕組みになっている.しかし,体験者に提示される香りは,HMD で見えている映像 ( 図 2) と必ずしも一致しな視覚情報に惑わされることなく,自らの嗅覚を頼りに正 確にその香りを嗅ぎ分けることが,ゲームの目的である. 操作は,多くの人に気軽に楽しんでもらえるように,全て右手一つで行うことが出来,単純でとても分かりやすく直感的なものに工夫されている.そのため,子供でも簡単に操作することが可能である.
[ 岐阜本大会映像 ]