こびと-Virtual Brownies-(2004)
mikan /東京工業大学・北陸先端科学技術大学院大学
[作品概要]
「こびと-Virtual Brownies-」は新しいタイプの VR 作品です.今までの,日常とVR 世界がかけ離れた作品ではなく,極めて近く,同一視できるものを作りたかったことがこの作品を作るきっかけです.特殊なデバイスやそれとわかる装置・雰囲気を出すことなく,日常の延長として存在する VR 世界を作りたい.この作品のコンセプトである「仮想の存在があたかも目の前の現実世界に存在するかのような感覚」はそこから生まれました.
「こびと」は「こびとの世界」を生き,私たちは私たちの世界を生きています.両者は直接インタラクションすることはできないのですが,紅茶缶やティーカップといった何気ない物を使ってインタラクションすることができます.私たちが物を動かすと物を通してこびとの世界に影響し,「こびと」が物を動かすと物を通して私たちの世界に影響します.「こびと」はせっかく運んでいた紅茶缶を取り上げられれば,大慌てで取りに行きます.押している方向の逆から押してやると押し返すことができます.
私たちの目的は,まだ達成されたとは言えません.「日常の延長としての VR」を実現する基礎がやっとできたという段階と思っています.今後,アプリケーションの開発を進め,より多くの人に作品を触れてもらいたいと思います.
[ 岐阜本大会映像 ]