■IVRC 2000 体験記

□IVRC 2000 岐阜VR 大賞 作品 騎馬弐武者弐

奈良先端科学技術大学院大学
戦國ティーム 代表 小塚 淳

○徒然なるママに

 きっかけは、僕らの研究室のスタッフが研究室内に向けて投げた一通の電子メールだったように思う。「学生対抗バーチャルリアリティコンテストに出展してみません?」、まがりなりにも情報系に身を置く僕らにとってこの言葉は、非常に甘美ではあったけれど、どこか異世界の事のように感じていたのも事実だった。最初は、軽い気持ちで、こんなの作れたらいいね、みたいな茶のみ話程度だった。というのも、学会発表や修論で忙しくなることが予想できたし、いろいろな状況を鑑みてとてもそんな時間は取れないというのが大人の意見だったからだ。

 勝手な事を言い合っているうちは楽しいもので、あれもできるんちゃうん、これもできるんちゃうん、そんなことを話しているうちに、なんかできるような気になってしまった。企画をまとめて出してみようかなんてことになってしまった。で、いざまとめる段になると、百花繚乱、雨後の竹の子、魑魅魍魎。話し合っても、いつも発散。まとまるどころか広がるばかり。「奇想天外」。ムズカシイですわ。荒唐無稽な案なら山ほど出てくるけどね。「奇想天外と荒唐無稽、何が違うんじゃ!!」と、逆ギレまで飛び出す始末。仲が悪かった我々は、「俺は宙に浮きたい」「遠隔で猫とじゃれ合うのは??」「象を“一吹き”で飛ばしたい」などなど意見がまとまらないまま、4つの企画を作成、全部出しちゃいました。「全部一次審査合格したらどーしよー」という愚かな心配をしつつ結果を待つこと3分。事務局からの「4つの企画が全て合格したら全て作れるのですね」という念を押す恐ろしいオコトバ。途端に尻込み。「一つなら作ります」腰の弱い返答。この頃から我がティームのヘタレ(根性なしのことです)ぶりが発揮されていたといえよう。一次審査の結果、“流鏑馬”をモチーフにした「騎馬弐武者弐」が合格してしまった。一番規模が大きく、半ば勢いだけで作った感がある企画。実際通ったとして、本当に作れるんかというのが、正直な企画者等の意見。まさしく、どーしよーという感じだった。しかし、完全なる悪に立ち向かうために、仲が悪かった我々は一致団結し、企画に望むこととなった。戦國ティームの誕生である。

次のページへ ->




Copyright (C) 2001 IVRC 2001 Project Team / The Lancer Team / MagicTree Allrights Reserved.