SIGGRAPHとは？

　SIGGRAPH(Special Interest Group on computer GRAPHics)とは、「シーグラフ」と読み、世界最大かつ最も権威のあるコンピュータ・グラフィックスとインタラクティブ技術の祭典です。

　米国計算機学会(ACM : The Association for Computing Machinery)のコンピュータ・グラフィックス分野の分科会として、毎年夏に米国にて開催されています。世界中から数万人のCGやインタラクティブ技術に関する研究者、企業関係者、芸術家が集まり、学術講演会、展示会、フィルムショー、レセプション等様々なイベントを通し、最新鋭・最先端の技術が発表されています。

　2002年は米国サンアントニオ市で7月21日から26日までの間開催されます。2003年は米国サンディエゴ市で7月27日から8月1日の開催となっています。

　SIGGRAPHで発表を行うためにはあらかじめ審査を通過する必要があり、毎年多数の応募の中から優秀な作品が選ばれており、若手研究者・芸術家が世界的に活躍するための登竜門にもなっています。

Emerging Technologies(Etech)とは？

　SIGGRAPHと言うと日本国内ではコンピュータ・グラフィックスの祭典としての側面が強調され、主にエレクトリック・シアター等に関する報道がされていますが、実はインタラクティブ技術に関しても最先端の研究成果や最高レベルのインタラクティブアートの集まるのイベントとしての顔も持っています。

　インタラクティブな作品のうち、技術的側面が強いものが集まっているのがEmerging Technologies(エマージング・テクノロジー/Etechと良く略されます)というコーナーです。(ちなみに芸術的側面の強いものが展示されるコーナーはArg Galleryです)

　どちらのコーナーも世界各国からの多数の応募の中から審査を経て厳選された作品が展示されています。出展者はネームバッジに「Etech Contributor」と書かれたリボンを付けてもらうことでSIGGRAPHの全会場に無料で出入りすることができます。

　(余談ですがSIGGRAPHではこのバッジについたリボンの数が一種のステータスシンボルとなっており、リボン無しの一般来場者から５つ以上もリボンをぶら下げ、道行く人がみな振り返るような大御所まで、謎のヒエラルキーが形成されています。そこを笑いにして、「私のリボンの長さの変遷」という展示や、リボンでベストを作って会場内を闊歩する「超VIP」が登場したこともあります。)

　さて、SIGGRAPHは作品の出展にも厳しい審査を経る必要があることは前述しましたが、その作品は展示期間を通して「世界で最も目の肥えた来場者」の洗礼を受けることにもなります。

　CG作品であればテレビやビデオを介して鑑賞することが出来ますが、Etechの作品はSIGGRAPH会場のみでしか「体験」することが出来ません。初日の開場時間前には行列が出来、開場と同時にインタラクティブ・フリーク達が各ブースに押し掛け、矢継ぎ早の質問とともに次々と展示作品を渡り歩いてゆきます。

　国内で展示した場合とSIGGRAPH来場者の反応で最も違いを感じるのが長所を見つけそれを褒めること。まず一言目に"Cool!" その後に来場者自身のアイディアや出展者が作品に込めたビジョン等を語り合うことになります。

　SIGGRAPHでやる気を出し、国内の展示で問題点を洗い出す。という感じにうまく使い分けられるようになれればもう一人前かもしれません。

　さて、IVRCでは今年度より優勝チームは副賞として、ノウハウ豊かなサポート陣の協力の下、通常では極めて困難なSIGGRAPHのEtechへの出展にチャレンジできます。

　もちろん厳しい審査がありますので出展自体を確約することはできません。しかしサポート陣からのアドバイスや応募に至るまでの過程は今後作品を作ってゆく上で貴重な財産となることは間違いないでしょう。また、万一落選した場合でも研修旅行としてSIGGRAPH2002に参加することが出来ます。

　是非IVRCで優勝して、世界最高の舞台への切符を手に入れてください。

SIGGRAPH 2002 web site
http://www.siggraph.org/s2002/
SIGGRAPH 2002 Etech web site
http://www.siggraph.org/s2002/conference/etech/index.html